OTTAVA Accademiaー林田直樹『音楽とことばの教室』#13 2024年5月24日(金) 20時～

日本は優れた個性的なオルガニストのたくさん活躍するオルガニスト天国だと思っていますが、なかでも石丸由佳さんの実力と活躍ぶりには以前から注目していました。
この講座にぜひ石丸さんをお呼びしたいと思ったきっかけは、キングレコードから新しくリリースされたアルバム「瑠璃色の地球」が素晴らしかったからです。
1970年代から90年代にかけての日本のポップスをオルガンのアレンジで演奏したこのCDから、荒井由実「翳りゆく部屋」やタケカワユキヒデ「銀河鉄道９９９」や小坂明子「あなた」を番組でオンエアしたところ、リスナーから大変な反響がありました。
オリジナルのヴォーカルがなくとも、見事にオルガンで演奏されるならば、それは十分に楽曲の素晴らしさを伝えうるし、時代を超えた普遍的な音楽へと昇華できるとこの演奏は実証しています。バッハのコラールが、讃美歌の旋律を美しくオルガンで装飾しながら演奏することによって見事に花開くのと同じだと思いました。
オルガンとは、宗教も国境も時代も超えた、無限の可能性がある楽器です。
そして、多様な音のパレットを用いて多彩なサウンドを作っていくことで、オーケストラにも匹敵する音楽の楽しみを与えてくれる最高の手段です。
今回は、素敵なアイディアにあふれた石丸さんの演奏と解説で、オルガンの楽しみをより深く知り、より身近に感じるためのきっかけにしていただければと思います。